犬と保健所
元記事では、江戸時代のいろいろな話をまとめた「耳袋」の中から、
飼い主であった姫路藩主・酒井忠以の忠犬の話が紹介されています。
その忠誠のため、当時の帝から位階を与えられたという話で、
「くらひつく犬とぞ兼(かね)てしるならば
みな世の人のうやまはんうやまはん」という歌も詠まれたのだそうです。
位がつく(食らいついて付いていく)犬だと知っていたら敬ったのに、
という意味なのだとか。
このように昔から犬は愛情や忠誠心が強いもので、
そんな動物を捨てて殺処分させる感情が、理解できないという話でした。
捨て犬だったかはわかりませんが、昔はもっと野良犬が多く、
犬の散歩の時にもはちあわせて喧嘩になったことがありました。
しかし、今ではほとんど野良犬などは見かけません。
おそらく積極的に、保健所などの機関が捕獲していたのではないかと思います。
人間の身勝手な理由でも、やむにやまれずでも、元飼い犬だったものが、
野良犬となることも多かったのでしょう。
そもそも、いつから彼らは野良犬として生活して、
いつから捕獲されるようになったのでしょうか。
筆者の知る限りでは、江戸幕府の第5代将軍・徳川綱吉の
「生類憐れみの令」の一つとして、
江戸に野良犬たちを集める敷地を作っていたそうです。
他にも、犬の放し飼いを禁じたりもしています。
そこの頃から江戸には、多くの野良犬、半野良の犬がいたようです。
それから昭和になると太平洋戦争もあり、
人間以外にも、多くの犬猫や動物たちが犠牲になりました。
戦後になると、食糧不足のため泥棒が多かったこともあり、
家庭で番犬を飼うということが流行したのでした。
この頃、今でいう財団法人日本動物愛護協会の原型が誕生したのだとか。
忠犬ハチ公の話もこの頃です。
しかし、狂犬病が流行があり、
犬猫の放し飼いの禁止と野良犬対策が始まりました。
「狂犬病予防法」が施行され、
年1回の登録と6ヶ月ごとの予防注射の義務が規定されました。
放し飼いをしていて鑑札の無い犬は、保健所による野良犬狩りで
連れて行かれたのだそうです。
中には、半野良や放し飼いの犬もいたかもしれません。
ただ、犬たちの尊い命を犠牲にして、狂犬病の絶滅には成功したのでした。
野良犬たちがほとんど見られなくなった今でも、
犬による咬傷事故は多いようです。
飼い犬のトラブルということでも、事故の内容次第では、
保健所に連れて行かれることもあるかと思います。
欧米諸国では、これは殺処分となる事案で、
もしかしたら日本でも、今後殺処分となる可能性もあるでしょう。
愛犬たちへの各ワクチンの摂取や、しっかりとしたしつけは、
飼い主が世間への体裁を保つためだけでなく、
愛犬たちを守る重要な事なのです。
ペットたちを責任を持ってしっかり愛することも、
殺処分ゼロに対する取り組みの一つなのだと思います。
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元記事:「産経ニュース」
http://www.sankei.com/life/news/160828/lif1608280010-n1.html