身勝手な飼い主が保護動物を増やす
元記事では、福井県におけるペット保護活動事情が掲載されています。
福井県では過去10年のあいだで、
実に13,419匹もの犬猫が、県の健康福祉センターに収容されたのだそうです。
そのうち殺処分されたのは8,748匹といい、
運良く譲渡や返還された仔は、半分にも及びません。
二酸化炭素での処分は苦痛を与えるから、と
動物愛護団体からの批判を受けて、
20年ほど前から注射での殺処分を行っているそうですが、
動物を助けるために獣医師になったはずのお医者様たちが、
泣く泣く動物の命を奪っている現状は、
人も動物も不幸でしかありません。
収容される犬猫は、飼い主の身勝手な理由によって、
連れてこられた仔も多いようです。
引っ越しすることになって、というのはまだましな理由かもしれません。
ペットが病気になったから・歳をとってしまったから、など
飼い主本位の理由も多く、
中には仔犬の頃は可愛かったけど・・・といった理由で、
手放そうとする飼い主もいたようです。
しかし、近年になるにつれ、
収容数も減り、殺処分の割合も減ってきたのだといいます。
譲渡されたのは、犬が約98%、猫が約66%と、
大幅に改善が進んでいるようです。
この改善の背景には、
飼い主にペットへの去勢を勧めたり、
最初に本人が譲渡先を探すようにさせ、引取りを拒否したりと、
地道な努力があったそうです。
その中でも一番効果があったと考えられているのが、
「飼い主さん自身の意識の向上」ということです。
ペットたちを家族の一員と考え、大切に扱う人が増えたことが、
大きな要因ではないかと考えられています。
福井県では新たに動物たちの収容施設を整備中なのだそうです。
新センターは、長期的な収容が可能になる他、
不妊去勢・マイクロチップ挿入・基本的なしつけなどを行い、
これまで以上に譲渡がされやすくすることも目指しています。
そんな中で、飼い方やしつけの教室や、
子供達にいのちの尊さを学んでもらうことで、
ペット保護の現状の、根本的な解決も図っていくようです。
その中心としても、新センターには期待が寄せられています。
ペットを販売する方にも問題があることは間違いないのですが、
私たち飼い主が見捨てない限り、
不幸なペットたちが大きく増えることはないはずです。
多くの飼い主さんには当たり前にできている、
ペットを家族と同様に愛してあげること。
もっと広く知られていけば、
ペットたちを取り巻く環境も、もっと変わっていくことと思います。
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元記事:「福井新聞ONLINE」
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/301382