野生動物と人間社会

関東平野を流れる利根川の堤防でのお話です。
パトロール中の職員が、堤防の外側ののり面に、
直径30~40センチの穴を見つけました。
穴は複数あり、奥行きは7メートル近くあるものも見つかったそうです。
それと同時に、獣の足跡もみつかりました。

 

獣を特定するため無人カメラを設置したところ、現れたのはなんとキツネ。
堤防の管理者によると、
「記録が残る10年でキツネの巣穴が見つかったのは初めて」と言います。

 

それから複数個所でキツネの巣穴が見つかりました。
穴は全て土やセメントで埋め戻されたそうです。
巣穴くらいそのままにしてあげたらよいのに、
とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、
巣穴に雨水が入れば、堤防決壊の原因になりかねません。
ブルーシートで屋根を作り、巣穴を保護している場所もあるようです。

 

そもそも、キツネは警戒心が強く、人や車の通りが近い場所に
巣を作ること自体が珍しいことなのだそうです。
アライグマや野良犬に巣を奪われ、
堤防を選んだのかもしれないと言う話もあります。
クマやイノシシが人里まで下りてくるというニュースは、
たびたび聞かれるものです。

 

近年、スズメのような警戒心の強い鳥も、
手乗りで餌をついばむ姿が撮影されたりしています。
また、公園を散歩していても、彼らの警戒がすごく薄くなったなと感じます。
これは彼らが「変化」を選んだという事かもしれません。

 

野生動物は、野生のままで、ということはずっと昔から言われている事です。
人里へ食べ物を求めて降りてくる野生動物の問題は、
人間が過去に、スギなどの針葉樹を植え、動物たちの餌となる
ドングリなどを実らせる広葉樹を減らした結果とも言われています。
しかしスズメのように、人間に歩み寄る「変化」を選ぶ動物もいるようです。
今回のキツネの例は、彼らが選んだ「変化」なのか、
果たしてお互いにとって良いのか悪いのか、
色々と考えさせられるニュースだと思います。

 

 

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元記事:「sippo」
http://sippolife.jp/article/2016072100001.html