犬猫たちの色の認識
犬猫たちが赤と緑の色の区別がつかない、ということをご存知でしょうか?
生物学者の福岡伸一氏が寄稿された記事では、
赤と緑、色と動物の関係が掲載されています。
色について勉強したことがある人であれば、
この2色が補色と呼ばれる関係であることは知ってらっしゃるかと思います。
補色同士の色の組み合わせは、互いの色を引き立て合う相乗効果がありますが、
明度が同じ補色同士を組合せた場合は、目がチカチカしてしまいます。
また、色の残像を消す効果もあり、病院の手術などで使われる緑は、
血液の赤の残像を消去するために使われます。
そんな赤と緑の色ですが、実は極めて近い色なのだそうです。
緑のもとになっている葉緑素と、
赤のもとになっている血の色素のヘムは、化学構造でみるとそっくりなのだとか。
物理学的にいうと、葉っぱから反射される光と血から反射される光は
互いに極めて似た光だということなのです。
霊長類以外の哺乳類はこの2色が同じに見えており、
葉っぱの緑色と血液の赤色を区別できないそうなのです。
ですから、盲導犬なんかでも、
信号の赤と青を見分けたりは出来ないようです。
そのかわり、彼らは暗がりでも
エサを見つけたり、敵や味方を区別できたり、
明暗の感度が高い眼を持っているそうです。
しかし、霊長類はどうして光の微妙な差を感じ取れるようになったのでしょう。
緑の木々の中から木の実や熟した果実を
すばやく見つけることが生存の上で有利に働いたのではないか、
あるいは、個体間のコミュニケーションが発達するにつれ、
顔色の微妙な変化を読めることが役立ったのではないか、
という説もあるようです。
愛犬、愛猫たちが、
私達と同じ世界が見えていないというのは、悲しいことです。
でも彼らからすれば、夜中に運動会なんかも出来ますので、
大して苦ではないのかもしれませんね。
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元記事:「sippo」
http://sippolife.jp/article/2016082600007.html